テーマ:思想

「多様性」と「反差別」

近年、「多様性」(diversity)という用語をよく耳にするようになりました。政治家や政府の政策上にもこのような用語が散見されます。その意味するところは文脈により多少異なりますが、最大公約数的には、人の採用や人事構成に際して、特定のカテゴリーに属する人に偏向せず、様々なカテゴリーに属する人をバランスよく配置すべきとする準則を指すようで…
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「内面美」のミスコン?

TBSの報道によると、アメリカで100年近い伝統を持つミスコン「ミス・アメリカ」が、水着審査を廃止すると発表したそうです。水着審査に代えて、リーダーシップや知性など、より内面の美しさを重視するとのこと。理由として、ハリウッドから広がった反セクハラ運動「#Me Too」の影響もあると説明されています。 当ブログでは、容姿差別こそ差別…
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レイシストとは何か

アメリカで数々の差別的言動を繰り返す「差別王」トランプ大統領が誕生して以来、レイシスト(racist)という単語がクローズアップされています。この語は日本では「人種差別主義者」が定訳とされています。 たしかにracistの語源であるraceは「人種」ですから、それに何らかの主義を示す語尾‐ismを付けてracismとすれば「人種差…
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究極の反差別実践訓

前回、三つの反差別実践訓と題して、「キノコの法則」・「全盲の倫理」・「白紙の倫理」の三つを箇条書き的にお伝えしたが、最後に究極の反差別実践訓を一つ追加しておきたい。 ○引き寄せの倫理 差別を他人事として自分自身から遠ざけて考えるのではなく、自分自身を差別される他人に置き換え、自分自身が差別される立場であったらどうか、と我が身に引…
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三つの反差別実践訓

「差別王」トランプ米大統領が登場し、様々な物議が引き起こされている中、発信すべき事柄は多いにもかかわらず、管理人の体調の問題から、今年に入って当ブログの更新頻度が低下してしまっており、心苦しい。しかし当面、更新頻度の回復は望めず、また暫く更新が休止することを見込み、まとめ的な意味で当ブログの柱でもある三つの反差別実践訓について列記してお…
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人間の定義

障碍者施設襲撃事件からひと月。この間、五輪一色報道という恒例の悪習慣がはさまったため、事件に関する報道はすっかり消え、早くも忘れられようとしている。だが、事件が社会に、さらにはひとりひとりに突きつけた問いは不変である。その問いとは、人間の定義、すなわち人間とは何かである。 事件の犯人は、襲撃に際して、障碍者の障碍の程度を職員に聞き…
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出生前診断をめぐって(下)

昨年末、予告しておきながら保留していた出生前診断をめぐる問題について、改めて論及してみたい。前回これを取り上げたのは、ある県の教育委員が県の予算や家族の負担を理由に、出生前診断を奨励すべきかのような発言をしたことに衝撃を受けてのことであった。 一方、今回、改めてこの問題を取り上げるのは、ほかでもない先般発生した障碍者施設襲撃・大量…
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戦慄の障碍者施設襲撃事件

26日、相模原市で発生した知的障碍者施設襲撃事件は、死者数では戦後最悪の大量殺人事件と指摘されているが、問題は数ではない。障碍者だけを狙った殺戮という質の点でも、(おそらくは)世界史上初の最悪事件ではないだろうか。 報道によれば、犯人は「障碍者は安楽死させるべき」などといったナチスばりの差別的な確信に基づいて殺戮に及んだとされてい…
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「差別する自由」論批判

最高裁が同性婚を憲法上の権利と認めたアメリカの一部州で、結婚以外では同性愛者を差別することを合法化する対抗的差別法のような法律を制定する動きが出てきている。例えば、ミシシッピ州では州内事業者がLGBTへのサービス提供を拒否することが合法化された。 また、問題の所在は異なるが、ノースカロライナ州でもトランスジェンダーの人々が学校など…
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続・「合理的配慮」への危惧

熊本・大分地震では、まさに今月施行されたばかりの障碍者差別解消法がいきなり災害時の障碍者対応という難題に直面したことは不運とも言えるが、実際のところ、新法は災害対応の現場で生かされたとは言えなかったようだ。 例えば、4月26日の時事通信は、自閉症など発達障碍を持つ子供やその家族の多くが、トラブルを恐れて避難所に入れず、車や自宅での…
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「合理的配慮」への危惧

今月より「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、障碍差別解消法という)が施行された。当法律は2013年に公布済みであったが、三年間の周知期間を置いての施行という触れ込みである。 この法律は、その名称どおり、障碍を理由とする差別の解消を推進することを趣旨とする法律であり、精神法でなく、具体的に差別禁止を定めた日本では…
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人工知能の差別学習

マイクロソフト社が開発した人口知能Tayがネット上で人種差別やヒトラー礼賛を学習し、発言するようになったため、運用休止に追い込まれたのは、差別克服の観点からは背筋が寒くなる「事件」であった。 この一件が明らかにしたのは、差別思想というものがいかに簡単に「学習」できるかということである。現代の最先端人工知能の学習能力の高さは相当なレ…
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「トランプ大統領候補」の現実味

以前、「トランプ発話を逐一報じることはかえって彼への注目と支持を強めることになる」と当ブログ記事で警告していたことが、現実のものとなりつつある。少なくとも、彼が米共和党の「大統領候補」に指名される可能性は高くなっている。 これに対し、米有力紙ワシントン・ポストが警鐘を鳴らし、共和党指導者にトランプ阻止を呼びかける異例の社説を掲載し…
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ヒトラー著書再版をめぐって

ドイツで長年事実上の禁書とされていたヒトラーの自伝的教条書『我が闘争』が8日、再版された。きっかけは昨年までバイエルン州が公的に管理してきた著作権が切れたためという。しかしこれは戦後ドイツにとっては大きな転換となるため、波紋を呼んでいるようである。日本では訳書が堂々と文庫本で簡単に読める著作だけに実感が湧かないのだが、これは差別克服の観…
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しばかない!

昨年は、内外で公職者・有識者等による差別発言が続いた。また民間においても、近年台頭してきたヘイトスピーチに代表されるような差別助長行為・運動が引き続き見られた。残念ながら、この傾向が今年激変するという根拠はない。 こうした動向に対して、反差別側もどう立ち向かうかが鋭く問われている。強硬な差別言動に対しては強硬な反差別運動で対峙・反…
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トランプ差別発話への対処法

アメリカ次期大統領選の共和党候補者指名選に立候補している「不動産王」ドナルド・トランプが「イスラーム教徒の米国入国禁止」を打ち出したことが波紋を呼び、英国では対抗上、トランプの英国入国を禁止する署名運動が展開され、議会が検討を始める事態となっている。 なぜそこまでの事態になるのか、差別に鈍感な日本ではなかなか実感がわかない。結論か…
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立花隆の「めくら」発話をめぐって

「知の巨人」とも称される評論家の立花隆がNHKの報道番組中で「めくら」という言葉を使ったことについて、番組キャスターが「おわび」コメントをした経緯をめぐり、「言葉狩りだ」という立花擁護論が起きている。 番組というのは、本年度ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章東大宇宙線研究所長の研究業績をテーマとする「クローズアップ現代」12月3日…
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「同性愛者=異常動物」言説

先月、神奈川県海老名市議会議員がツイッターに「同性愛者は生物の根底を変える異常動物だ」と書き込み、問題となった。幸いにして、この発言は強い批判を浴び、市議会は今月3日には議員辞職勧告決議を採択する事態となった。 批判の根拠は「差別」ということにあり、それはもちろん正当である。ただ、「異常動物」言説の“異常”な点は、「同性愛者は気色…
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出生前診断をめぐって(上)

先月、茨城県の教育施策を話し合う会議の席上で、一人の県教育委員が障碍児らの通う特別支援学校を視察した経験をもとに、「妊娠初期にもっと(障碍の有無が)わかるようにできないか。(教職員も)すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う」、「世話する家族が大変なので、障碍のある子どもの出産を防げるものなら防いだ方がいい」などと発言したとして…
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「ユニバーサル」の落とし穴

日本語のカタカナ外来語の氾濫には閉口するが、反差別の分野でもカタカタ外来語は多い。例えば、従来から「バリアフリー」という語が定着してきたと思ったら、これはもう時代遅れで、最近は「ユニバーサルデザイン」と言うらしい。 ユニバーサルデザインとは、直訳すれば「普遍的設計」。つまり、障碍の有無を問わず、みんなが普遍的に使えるような設計のこ…
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遺伝差別について(下)

遺伝子検査では、表面からは見て取れない個人の多種類の膨大な情報が取得できるため、そうした個人の内的情報を利用した種々の差別が科学的な根拠付けを伴って行なわれる危険があるのであった。そうだとすると、そのような危険な遺伝子検査自体を差別とみなして全面的に禁ずるべきではないか、という先鋭な問題意識が生じてもおかしくない。 実際、人間はあ…
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動物差別について

以前、差別最終街区の四丁目二番地・犯罪者差別の隣は動物差別であると述べた。実際、凶悪犯罪者は「鬼畜」と評されることすらあることからも、このことは裏付けられる。動物差別とは、人間以外の動物を劣等視することである。 人間はかねて高等知能を有する霊長類を自称してきたため、人間以外の動物は遺伝子構造的に近縁な種でさえも、仲間の人類というよ…
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日本社会と差別(中)

前回は、日本社会において差別克服が困難な課題となる理由として、差別が高度の社会的安定の秘訣として利用されていることを、特に移民制限と精神障碍者隔離という典型的な二つの事例を挙げつつ、指摘した。しかし、日本社会で差別克服が困難となる理由は、他にもある。今回は、より根源的な文化的理由を考えてみよう。 差別の根源が「見た目」に対する劣等…
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犯罪者差別という課題

差別四丁目二番地は、一連の差別街区の最辺境地である。ここに位置するのが、犯罪者差別。多くの人にとってもはや「差別」という認識自体が持てない領域であり、その隣は動物の世界である。通常、人間は動物を人間より劣等的なものとして、所有・飼育・研究の対象とみなしている(そのことの是非はまたの機会に検討する)。それと同様に、犯罪者も人間に値しない非…
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外国人差別の克服法

差別の四丁目一番地は外国人差別であるが、外国人差別の克服が難しいのは、外国人は法律上合法的に差別される存在だからである。現時点で、反差別法が整備された反差別先進国にあっても、外国人を完全に国民と対等に扱う国は存在していない。 これは、国民を主体として構成された国民国家という現代国家の本性に由来している。国民国家では国民が主人公であ…
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差別の共犯関係

差別の二丁目一番地を成す性別による差別、中でもその中心にある女性差別については国際的にも克服の取り組みが重ねられてきたこともあり、差別解消が最も進んでいる分野であるが、それでもその進展のレベルには国ごとに相当な格差がある。その違いはどこから生じてくるのだろうか。 単純に考えれば、「男尊女卑」の観念の強弱によると言える。たしかにそう…
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ナチスとイケメン

今年はアウシュヴィッツ解放70周年の節目ということで、内外で改めてナチスへの関心が高まっている。そこで、本講座でも、差別の一丁目に関するまとめを兼ねて、このテーマを取りあげてみることにするが、それにしても奇妙過ぎるタイトルになった。 なぜ、あえてこのような奇抜なタイトルにしたかと言うと、アウシュヴィッツに象徴されるナチスの人種浄化…
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白紙の倫理

前回、「全盲の倫理」として、他人を判断するときに、全盲者と同様に相手の容姿が見えないという仮定に立ち、容姿以外の要素で評価するという倫理観を示した。 しかし、目の見える大半の人にとって、そのような不自然な実践は難しいかもしれない。たしかに、全盲の倫理は究極の倫理であって、全盲者以外の人にとっては一定の「訓練」を必要とする。そこで、…
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全盲の倫理

年末以来、約一か月ぶりの発信である。目下、当初の予想を超えたレベルの黙殺を受けている状況であるが、めげることなく、差別を克服するための方策を考えるという企画を続けていきたい。 以前、人間は五感の中でも視覚が比較的発達しているうえに、美醜という価値基準を持つことから、容姿差別が発生するということを指摘した。しかし、人間には視覚を持た…
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