「感染自己責任論」と差別

本題の反差別教育論から逸れますが、先月末に非常に興味深くも恐ろしい心理学的な調査結果が出されましたので、それをめぐって論じてみたいことがあります。その調査とは、心理学者の研究グループが、日・米・英・伊・中の5か国で、「COVID-19ウイルスに感染する人は自業自得だと思うか」との質問に、「全く思わない」から「非常に思う」まで賛否の程度を…

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早幼児期における反差別原体験(1)

反差別教育は何歳から始めるべきか―。「三つ子の魂百まで」と言われるように、3歳の段階から即行で開始するべきであるということになるのでしょうか。実際のところ、それほど単純ではなさそうです。そもそも、乳幼児は「教育」の対象となり得るかが問題です。世の中では、「英才教育」として2、3歳頃から様々なことを教え込むことも行われていますが、そうした…
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反差別教育の方法論的基礎

前回記事から三か月近く経過しても、いまだCOVID-19は終息には遠いようです。そうした中で、ウイルス関連での心無い差別行為の実態も耳に入ってきます。どうやら、人類社会ではウイルス自体とともに、それをめぐる差別という言わば心のウイルスも並行して猛威を振るっているやに見えます。改めて、人類の差別慣習の冷酷さに震撼するとともに、当年の本題で…
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恐怖と差別

今年最初の「講座」となります。本来なら、前年度の考察を踏まえ、教育を通じた反差別の取り組み、すなわち反差別教育の方法論を論じるところでありましたが、折から、新型コロナウイルス:COVID-19の流行に伴い、種々の差別的な行為が見られるようですので、予定を変更し、この問題を差別の観点から取り上げることにします。 一般に、感染症が流行する…
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差別の黄昏:老年期

エリクソンの発達段階理論は、人間が晩年まで生涯にわたって課題を伴いつつ、発達を続けるという非常に広いパースペクティブを持った「発達」の理論に立っていますから、65歳以降人生終盤の老年期にもまだ「発達」の余地があると想定されます。老年期と言えば、長い人生経験に基づく知恵が備わるべき時期です。その一方で、人生を振り返り、「私は私でいてよかっ…
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差別の中核世代:壮年期

これまでたびたび取り上げてきたエリクソンの発達段階理論において、40歳以降60歳代中ばくらいまでは、「成年期」と呼ばれますが、これはもう少し限定すれば「壮年期」ということでしょう。俗に言う中年期です。エリクソンの発達理論は、人間が生涯にわたって「発達」を続けるという前提に基づいていますから、おじさん/おばさんにも「発達課題」が割り振られ…
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愛/結婚と差別

前回まで、差別とパーソナリティの関係について見ましたが、ここで、再びエリクソンの発達段階論に立ち戻ってみます。エリクソンによれば、人間の発達段階上、20歳から39歳までを「成人期」とし、ここでは「愛」が最大の発達課題となるといいます。たしかに、20代から30代までのいわゆる若年成人期には、肉親ではなく、それまで知らなかった第三者との愛を…
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差別とパーソナリティ(下)

前回は、差別とパーソナリティの関わりで、気分的な差別主義と結びつきやすい傾向を持つ病的パーソナリティである自己愛性パーソナリティ障害について見ました。これに対して、確信的差別主義と結びつくようなパーソナリティがあるかどうかということが、今回の主題となります。気分的な差別主義から発する差別行為は、まさに気分的な気まぐれであり、そこでは差別…
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差別とパーソナリティ(上)

前回の記述の末尾で、差別的価値観の形成度合いには、確信的なものから、気分的なもの、無意識的なものまで相当な個人差がありますが、そうした個人差はいかにして生じるのかという問いを掲げました。今回はこの問題を考えてみたいと思います。 個人差と聞いてすぐに思い起こすのは、パーソナリティです。人は成長の過程で、独自のパーソナリティを形成していき…
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劣等感と差別的価値観

7月初旬の大規模リニューアル後、初めての投稿になります。リニューアルに伴い、「道」をモチーフとしたテンプレートから、「光」をモチーフとするテンプレートに変更しました(まぶしいようでしたら、おゆるしください)。差別克服の困難な道に小さな光明を見出したいとの趣旨からであります。 さて、差別を思考する営為を導く「差別的思考回路」は思春期の頃…
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「差別的思考回路」の形成

ピアジェ発達段階論によれば、12歳以降の「形式的操作段階」に入ると、人は形式的・抽象的思考操作がができるようになるといいます。つまり、これ以降本格的な「思考」と呼べる知的営為が可能となるわけですが、差別学習の観点からみれば、12歳以降はまさに差別を思考することができるようになる年代ということになります。 このような差別を思考する営…
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「差別学習」の第一歩

誕生してから乳幼児の間はまだ差別するということを知らない人類が差別行為の第一歩を踏み出すのは何歳頃でしょうか。そうした観点からの本格的な研究自体があまり行なわれていないため断言はできませんが、自身の経験を加味した推定によれば、おおむね7~8歳頃には早くも差別行為の芽が生じるように思われます。 その点、ピアジェ発達理論によれば、人間は2…
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「差別学習」の最原点

差別行為の基層には、事物を識別するという認知機能があります。事物の識別という認知機能は、人類以外の動物にも備わっているようですが、人類の場合は、識別した事物に価値の優劣を付けるという思考操作が加わります。このような価値序列化は人間の持つ「高等知能」の作用と考えられていますが、そのことがあだとなって、差別行為という人間特有の問題行動が発生…
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「差別学習」の研究

2018年は人が差別的価値観をいつどのようにして体得していくのかという大問題を課題とするという趣旨のことを宣言していながら、実行できませんでした。言い訳をすれば、体調や身内の不幸などいろいろありますが、書き連ねることは避けます。当ブログ自体の更新が大幅に滞っている中で、今年こそは課題の実行をなどと宣言することもできません。 とはい…
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「多様性」と「反差別」

近年、「多様性」(diversity)という用語をよく耳にするようになりました。政治家や政府の政策上にもこのような用語が散見されます。その意味するところは文脈により多少異なりますが、最大公約数的には、人の採用や人事構成に際して、特定のカテゴリーに属する人に偏向せず、様々なカテゴリーに属する人をバランスよく配置すべきとする準則を指すようで…
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「内面美」のミスコン?

TBSの報道によると、アメリカで100年近い伝統を持つミスコン「ミス・アメリカ」が、水着審査を廃止すると発表したそうです。水着審査に代えて、リーダーシップや知性など、より内面の美しさを重視するとのこと。理由として、ハリウッドから広がった反セクハラ運動「#Me Too」の影響もあると説明されています。 当ブログでは、容姿差別こそ差別の一…
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レイシストとは何か

アメリカで数々の差別的言動を繰り返す「差別王」トランプ大統領が誕生して以来、レイシスト(racist)という単語がクローズアップされています。この語は日本では「人種差別主義者」が定訳とされています。 たしかにracistの語源であるraceは「人種」ですから、それに何らかの主義を示す語尾‐ismを付けてracismとすれば「人種差…
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究極の反差別実践訓

前回、三つの反差別実践訓と題して、「キノコの法則」・「全盲の倫理」・「白紙の倫理」の三つを箇条書き的にお伝えしたが、最後に究極の反差別実践訓を一つ追加しておきたい。 ○引き寄せの倫理 差別を他人事として自分自身から遠ざけて考えるのではなく、自分自身を差別される他人に置き換え、自分自身が差別される立場であったらどうか、と我が身に引き寄…
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三つの反差別実践訓

「差別王」トランプ米大統領が登場し、様々な物議が引き起こされている中、発信すべき事柄は多いにもかかわらず、管理人の体調の問題から、今年に入って当ブログの更新頻度が低下してしまっており、心苦しい。しかし当面、更新頻度の回復は望めず、また暫く更新が休止することを見込み、まとめ的な意味で当ブログの柱でもある三つの反差別実践訓について列記してお…
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「キノコの法則」を推奨

先日、アメリカのCNNが興味深くもショックな研究結果について報道した。それはインターネットを通じて、米国人(と思われるが、報道では明示されず)950人に、対象として選ばれた黒人男性と白人男性の体重や身長、力強さ、体格を評価してもらうという米心理学会による調査。 それによると、実際は対象の黒人男性も白人男性も同じ大きさだったにもかか…
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